3−5 Diplocladius group  副下唇板は顕著な多数の長い毛を有する )           Orthocladinae group                                                  

Diplocladius    Psectrocladius     Rheocricotopus    Synorthocladius    Parorthocladius

   mentum
ventromental plate
antenna ST その他の特徴
Diplocladius 下唇板の中央歯はU、側歯6対。
副下唇板には長い多数の剛毛v
5節、触角比は1.7〜2.3 羽根型 大顎の側歯は4本
Psectrocladius
  (flabvus type)
全体がドーム型、先端が小さく窪む。側歯は4対
副下唇板は長楕円形で剛毛は細く、少ない
5節、特に特徴はない 粗大な数本の歯の櫛状 大顎の先端歯は細長い
Psectrocladius
sordidellus type)
大きな中央歯は深く切れ込む
副下唇板は三角形で、長い多数の剛毛を有する
5節、特に特徴はない 粗大な数本の歯の櫛状 大顎の側歯は4本
Rheocricotopus 中央歯はV字型に切れ込む
副下唇板は長楕円形で細い毛を有する
5節、特に特徴はない 2叉 大顎の側歯は3本
Synorthocladius 中央歯は長い三角形で先端は2歯に分かれる
副下唇板は数十本の長い毛が放射状に広がる
5節、第3節は第2節の2倍強 細く短い針状 第5〜9体節の側面に
短い剛毛束がある
肛門鰓は長い棒状
Parorthocladius 中央歯は長い三角形で先端は3歯に分かれる
副下唇板は数十本の長い毛が放射状に広がる
5節、第3節は第2節より短い 細く短い針状 第4〜9体節の側面に
短い剛毛束がある
肛門鰓は長い棒状


Diplocladius

体長は5〜10mm。生体は灰緑色〜褐緑色。国内では広く分布し、数種の幼虫を確認している。やや清冽な水域の平瀬〜早瀬の石礫面に生息。

 
副下唇板は横に長く、多数の長い剛毛を有する。  
・触角は5節。触角比は1.7〜2.3。
 第2節先端に顕著なLb器官と
 指状突起。
・下唇板の中央歯は2本、側歯は
 6対。副下唇板は大きく、多数の
 長い剛毛を有する。
・大顎の側歯は4本。
・STは羽根型で、櫛の歯状に縁
 取られる。SUは長い針状。
 上咽頭櫛歯は大きな3葉。
 前大顎は広く、先端で2裂と内側
 に1つの膨らみ。
・尾剛毛台の高さは径の。1.0〜1.4
 倍、尾剛毛は7本。

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Psectrocladius

体長は5〜10mm前後。黄緑色〜濃緑色。清冽な止水、流水の砂礫底に生息。国内各地に分布するが、個体数は多くない。数種確認している。

 
Psectrocladius flavus タイプ:
下唇板全体がドーム型。中央歯は広く、中央部で小さい膨らみ。側歯は4対。副下唇板は長楕円形、毛は細く、少ない。
Psectrocladius sordidellus タイプ:下唇板の中央歯は大きく切れ込み、2歯ののように見える。副下唇板は三角形、剛毛は少ない  
 Psectrocladius sordidellus
1:触角 
2:下唇板の中央歯は大きく切れ込み、
 2歯のように見える。副下唇板は大き
 く、長い毛をもつ。
3:上唇部 STは粗大な数本の櫛の
  歯状。SUは針状。上唇櫛歯は3葉。
  前大顎はヘラ状の1葉。
4:大顎:先端歯は特に大きくない。
5:小顎
6:頭部 背面
7:後擬脚の鈎爪
8:前擬脚の鈎爪
9:肛門鰓
10:尾剛毛 長い2本とやや短い3本。
   種によって数、長さは異なる。
Psectrocladius flavus タイプ :大顎の先端歯は側歯
3本分より長い。
図はPsectrocladius sordidellus type  

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Rheocricotopus

体長4〜6mm。緑褐色で胸部は淡褐色のまだら模様。平瀬、早瀬の石礫面に生息。国内に広く分布。数種を確認している。

中央歯の両脇に小歯がある。小歯の無いものが多い。 触角と大顎:特に特徴はない 尾剛毛台の後方側面に小突起がある
1:触角 5節。第2節先端のLb器官、指状
  突起はやや大きい。
2:下唇板 中央歯は2歯、種により両脇に
  小歯を有する。副下唇板は長楕円形で、
  長い多数の毛を有する。
3:上唇部 STは2叉。SUは細い針状。
  上咽頭櫛歯は3葉。前大顎はヘラ型。
4:大顎 側歯は3、指状突起は先端で2岐。
5:小顎
6:尾剛毛台は小突起を有するものもある。  
  尾剛毛は5本。
7:前擬脚の鈎爪
8:後擬脚の鈎爪

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Synorthocladius

2〜4mmの小型の幼虫。灰緑色〜濃緑色。数種の幼虫を得ている。平瀬の砂礫底に生息。

 
長い三角形で、中央歯は広く、2つに分かれる。側歯
は4対、側歯下端の副下唇板に40余本の細く長い房
毛の束がある。
 尾剛毛は4本は長く、2本は短い。肛門鰓はくび
 れ後擬脚の2〜3倍。
 
第5〜9体節の腹側面に2本の太い剛毛と、
10数本〜20数本の細い毛を有する小突起
が前後に2つある。
4節。第3節は第2節の2倍強。付属枝は触角の
先端を超える。
大顎は全体が褐色、三角形をなし、側歯は3。指状突起は長く、鋭い。大顎房毛はない。ST、SUともに細く、短い針状。上咽頭櫛歯は3葉。

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Parorthocladius

体長2〜4mmの小型。北海道、信州の河川など、比較的低水温の水域に生息するようである。(日高川、鵡川、犀川) 平瀬の砂礫底に生息。

下唇板の中央歯は等大の3歯。側歯は4対。側歯下端の副
下唇板は小さい楕円形で数十本の長く、細い毛が放射状に
広がる。
大顎房毛はない。 5節。第2節は第3〜5節より短い。
第2節は第3節より長い
・下唇板の形態は一見Synorthocladius
 に似ているが、中央歯が3歯である点が
 大きな相違点である。触角の形態も大
 いに異なる。
・ST、SUともに細く短い針状。
・第4〜9体節の側面後端に細い毛の束が
 ある。
・尾剛毛は5〜6本(種により異なる)。
・肛門鰓は後擬脚の1/2〜1/3.尾剛
 毛は5本。
  

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